2019.11.24

null vol.4 @COFFEA EXLIBRIS kettle(コフィア エクスリブリス ケトル) 開催レポート

開催レポート

第4回のnull -自由な場所とアートなこと- を開催しました。

今回の場所は東府中の「COFFEA EXLIBRIS kettle(コフィア エクスリブリス ケトル)」で行いました。古い建材店を改装した温かみのあるコーヒー専門店。クリエイティブを感じさせる店内では、定期的に個展や展示販売などが行われています。
企画テーマは「穴」に関するもの。
夜のカフェという場所とケトルさんのセンス良い店内で、のんびりと大人の雰囲気で開催できました。

今回の企画テーマは府中出身のアーティスト高嶋英男さんが考えたもの。日常の周辺にあるイメージを拡大、反転させながら作品づくりをしている高嶋さんならではのテーマでした。

映画や本で印象的に用いられる穴、古代の横穴や建築物に見る穴。縁起を担ぐための穴、マルセルデュシャンの作品にみる覗き穴などが語られました。日常や趣味が見え隠れするアイテムとしてではなく、穴を通じて語られる場所や思い出、概念などの話題が多かったように思います。
穴はモチーフとしても色んな想像をかきたてると思いました。

高嶋:「今回、「穴」をテーマに企画させていただきました。普段、美術作家として作品を作るなかで自分の作品テーマにも関わるものだったのですが、楽しみな反面、変わったテーマでもあったのでイベントがうまくいくか少し不安もありました。
ですが、その心配は当日吹き飛び、実際に行って見ると参加していただいたすべての人に穴にまつわるユニークなお話が集まりました。
養老天命反転地(作品、場所)、砂の女(小説、映画)幼少期自主的に墓の穴をひたすら掘っていた思い出(記憶)、大量のほら穴スポット(史跡)などその他にも色々な個々の経験や記憶の中で出会ってきた穴エピソードが出揃いました。
それらはどれも面白く興味深いもので、話をするなかで個々の参加者のエピソードに参加者同士が興味を持つことでさらに深い穴エピソードに会話が連鎖的していくところも、面白いと感じました。今回はこのような機会をありがとうございました。」

【アーティスト プロフィール】
高嶋英男
府中に生まれ育つ。粘土を使った立体的な作品を発表する美術作家。
「もの、こと、の境界線を漂いながら、思考したり手を動かす日々。」
https://www.hideotakashima.com/

vol.4のnullイメージビジュアルの制作は写真家・映像作家の三輪浩光さん。フィルムカメラを持ち歩き、フェットでは写真展示をされた作家さんですが、今回は写真と印刷物のコラージュした作品でした。

三輪:「写真プリントと印刷物は既に前世紀のものですけど、単純にデータに置き換えられないところが好きですね。触れる感覚、このアナログ感に惹かれます。
sns等で簡単にコミュニケーション(デジタル)が出来るところを、あえて、人と人が実際話し会える場(アナログ=null)にしているところも作品に落とし込みました。」

写真や印刷という反復されていくものが好きとおっしゃる三輪さんならでは表現で、隠れたところに再発見がある作品でした。

美味しい珈琲とケーキをいただきながら和やかに開催させていただいたケトルさん。店舗内の装飾や、本、小物、展示ギャラリーも充実し、皆さん興味津々で眺めていました。ご協力ありがとうございました。

運営スタッフより

毎回作成いただいたイメージビジュアルは記録として、プリントを保管しています。三輪さんはコラージュ作品から更にブラシュアップいただき、4つの連作として納品いただきました。関係の中で進化していく作品。とてもnullらしく面白いです。

開催情報

場所:COFFEA EXLIBRIS kettle(コフィア エクスリブリス ケトル)
日時:2019年11月24日(日)19:00-21:30
参加人数:12名(スタッフ含む)
テーマ:「穴」に関するもの